学校や仕事、生活での悩みや疑問。廣津留さんならどう考える?(撮影/吉松伸太郎)
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 小中高と大分の公立校で学び、米・ハーバード大学、ジュリアード音楽院を卒業・修了したバイオリニストの廣津留すみれさん(30)。その活動は音楽だけにとどまらず、大学の教壇に立ったり、情報番組のコメンテーターを務めたりと、幅広い。「才女」のひと言では片付けられない廣津留さんに、人間関係から教育やキャリアのことまで、さまざまな悩みや疑問を投げかけていくAERA dot.連載。今回は、廣津留さんの地元・大分の魅力と、海外から人が来たら案内する場所について語ってもらった。

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Q. 廣津留さんは今でも地元の大分によく帰りますか。廣津留さんの大分愛をぜひ教えてください!

A.  私は3年前から大分市の教育委員を務めていまして、定例会があるので、月1回ぐらいのペースで大分に帰っています。バイオリンのコンサートで帰るときもありますし、毎年夏には英語教室を運営している母と共に、「Summer in JAPAN」という夏の英語セミナーを大分で開催しているので、その時にも帰りますね。

 大分の魅力は、何といってもおいしいごはんに温泉、そして豊かな自然! ごはんは、関サバ、かぼす、しいたけ、とり天などの大分名物はもちろん、魚介類が特においしいですね。新鮮で値段も安いんです。温泉は本当にたくさんあります。コアな別府の温泉を楽しんだり、野菜の地獄蒸しを味わったりと、いろんな楽しみ方ができるのが大分の温泉のいいところです。数が多いだけに一つひとつが混まないので、ゆっくりできるのもいい。大分駅にも温泉があるんですよ。

 自然が身近にあることのよさは、大分を離れてから改めて思い知りました。小さい頃から家族で近くの温泉に入ったり山に登ったりと、大分の豊かな自然を楽しんできたことが私にとっての原体験であり、原風景でもあるんです。自然が当たり前にある環境にいると、視点が縮こまらずに、発想も豊かになる気がします。東京では雄大な景色を目にすることがないので、大分空港からバスで大分市内に向かう道中で海が見えてくるだけで癒されます。バスの窓から硫黄のにおいがしてきたら、「別府まで来たんだ!」って嬉しくなります。あちこちで湯けむりが上がるなか、海と山が広がる光景を見ると、「ああ、ふるさとに帰ってきたんだな」と実感しますね。

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海外から来る友人をどこに案内する?