「夏に開催する英語セミナーの講師陣を務めるアメリカの大学生に、大分の魅力を体験してもらっています」と廣津留さん(撮影/吉松伸太郎)

 2013年から母と大分で開催している「Summer in JAPAN」では、ハーバード大生をはじめとするアメリカの大学生が日本の小中学生・高校生を教えています。この活動を続けているのは、大分の魅力を海外の若者を含め多くの人に知ってほしいし、体感してもらいたいという思いもあるからです。2週間のプログラムの前半は、大学生たちがライティングやプレゼンテーションなどさまざまなことを子どもたちに英語で教え、後半ではアメリカの大学生たちに大分の温泉やお寺での文化体験などを通して、より深く日本を知ってもらえるようにしています。

 子どもたちもアメリカの大学生たちも、それぞれ住み慣れた世界とは異なる、外の世界を知ることで、学べることは多いはず。私自身も大分から海外に出たことで見えてきたものがたくさんあります。故郷の魅力に気がつくことができたのも、その一つだと思いますね。

Q. 日本にもたくさんの外国人観光客が来ています。廣津留さんは海外から来る同世代の人を案内するとしたら、日本のどんなところへ連れて行きますか。これまで海外の人を案内したなかで、反応のよかったところ、意外な反応があったのは?

A. 東京の場合はチームラボの展示をおすすめすることが多いですね。新しいテクノロジーに触れられるのはもちろん、滝や苔庭など日本の自然にインスパイアされた作品もあって、日本らしさも感じられるところがいいんですよね。新旧あわせ持つ、日本の魅力を伝えられる場所だと思います。

 食事では、“居酒屋”が鉄板の案内先です。刺身や天ぷらなどの定番の日本料理から、いわゆるB級グルメまでいろいろ揃っていて、メニューが幅広いのがいいですよね。特に海鮮系の居酒屋では、岩牡蠣が喜ばれます。あの大きさが珍しいみたいです。

 原宿やディスカウントストアを歩いて巡るのもおすすめですね。ハンディ扇風機など、かゆいところに手が届くような気が利いたアイテムや、かわいいキャラクターデザインの雑貨がたくさんあるので、見ているだけでも楽しいと喜ばれます。

 また、電車に乗ってただ移動することも意外にも刺さるらしくて、びっくりしました。ポイントは地下鉄じゃなくて、地上を走る電車というところ。車窓から見える河川敷などの景色が新鮮に映るみたい。「『君の名は。』みたい!」って。以前、車窓の風景をインスタのストーリーにアップしたときも、「え? 君、アニメの世界にいるの?」みたいなコメントが来たんですよ(笑)。富士山や海が見えるわけでもないし、日本人の私からしたら、「いやいや、普通の景色なんだけど」って思うんですけどね。

 私たちが「普通」だと思っているようなものや場所も、海外の人たちには珍しかったり琴線に触れたりすることがあるので、そういうところを探りながら案内してみるのも楽しいのではないでしょうか。
 

構成/岩本恵美 衣装協力/BEAMS

次のページ 廣津留さんに聞いてみたいことを大募集!