気象庁が1月1日16時22分に出した大津波警報などの発表状況=気象庁提供

 津波警報・注意報の第1報は、地震の発生から3分程度を目標に出している。これが自治体や報道機関や、携帯電話会社などを経由し、住民らに伝えられる仕組みになっている。さらにその後も地震の情報が精査され、15分以内を目安に更新された津波警報・注意報の第2報が出されるという。

 今回は地震発生から2分後の16時12分に第1報が出された後、16時22分の第2報で石川県能登に最大5メートルの大津波警報を発出した。これは第1報の段階では地震の規模をM7.4と判定していたが、その後にM7.6と大きくなったためだ。

 気象庁の担当者は、こう語る。

「警報はすべて自動的に出ているわけではありません。震源の位置や地震の規模などは担当者が判断するため、どうしてもそのための時間が必要です。津波警報を出すまでの時間は、すでに極限まで短くなっている。これ以上早く出すのは、どうしても難しい」
 

 2011年3月の東日本大震災では、地震発生から津波到達まで時間があった。今回はなぜ津波がすぐに到達したのか。

 津波や地震のメカニズムに詳しい東北大の今村文彦教授は、

「沿岸に近いところにある断層が動いたのが原因」

 と話す。

 東日本大震災は、日本列島が載っている陸側の北米プレートと、その下に潜り込むように動いている海側の太平洋プレートの境界付近で発生。震源は陸地からも遠かったため、津波が沿岸部に到着するまでに時間がかかった。想定されている南海トラフ巨大地震も、この「プレート境界型」だ。

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日本海側と太平洋側で、地震の発生の仕組みは