(撮影/小黒冴夏)

 それからは、ベテラン記者にも記者が書いた原稿をチェックする「デスク」として時々シフトに入ってもらい、働き方を見直しました。子育て中の女性デスクが緊急時に休めるように考えたことでしたが、次第に、男性デスクも「幼稚園のお迎えに行きます」と早退したり、独身でも「日曜日に語学学校に通いたいから、シフトを代わってもらえないか」と相談したりするという嬉しい変化がありました。

「プライベートを充実させることはお互いさま」という空気が広がれば、結果的にみんなにとって働きやすい職場になる。これは魅力的な会社になるために大切なことで、実践できるかトップの覚悟が問われていると感じます。

 管理職になり、大変だったこともありますが、実は良かったことの方が多いです。何より、自分が良いと思ったことを実行できる権限がある。デスクのシフト改革も私がイチ社員だったら、できなかったことですから。

 女性管理職のロールモデルが社内にいないならば、社外で見つければいい。自分ひとりで抱え込まず、パートナーはもちろんママ友やシッターさんなどにも助けてもらえばいい。多くの女性に、ぜひ新たなキャリアにチャレンジしてほしいと思っています。

AERA 2024年1月15日号

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