実際に、私のクリニックでも、枝豆、豆乳、豆腐など、大豆食品ばかり食べていて、膵臓がんのマーカーが上がってしまった人がいました。

 こうしたリスクを経験的に知っていたのか、先人たちは体に消化吸収の負担がかからないように大豆を発酵させて食べるという文化を発展させました。それが日本独自の発酵文化によって生み出された味噌であり、納豆です。国立がんセンター研究所のデータでも、味噌、納豆では膵臓がんの発症率が増えるというデータが見られません。

 たんぱく質ブームもあって、サプリメントなどから大量にソイプロテイン(大豆たんぱく)を摂取している人も少なくありませんが、こうしたリスクもありますから、長期間、大量に摂取することには注意が必要です。ほどほどの摂取が賢明です。

世界が注目する納豆のすごい実力

 大豆を加工した食品の中でも、おすすめの食品が「納豆」です。「スーパーフード」として世界で注目されています。納豆に特有の納豆菌は食品類の中で最も増殖力が強い菌として知られ、病原性大腸菌O-157の繁殖を抑えるほど強力であることがわかっています。腸内細菌叢のバランスを整えることができ、納豆菌があると乳酸菌のはたらきを強めることも知られています。

 また、大豆を発酵させて作っている発酵食品ですから、「大豆イソフラボン」という大豆特有のポリフェノール成分も摂取することができます。

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