2021年の東京五輪サーフィン女子の3位決定戦でアメリカのキャロライン・マークスを破り、銅メダルを獲得した都筑有夢路

「五輪のメダル、2年くらい背負っちゃいましたね。サーフィンの歴史が浅いなかで、メダルの重圧をどう克服するか分からなくて。今は、『日本で1位じゃないといけない』という考えから、チャレンジャー的な気持ちに戻れています。こういう経験をできたのも五輪メダルのおかげですし、自分を強くさせてくれたと思います」

 まずは、2月のプエルトリコでの五輪選考。その先に、パリ五輪を見据える。

「毎回、違うタイプの波になります。サーフィンは試合ごとに準備し直すのは当たり前で、その対応力を求められるスポーツ。東京五輪よりも強くなった精神力で、いかに冷静に判断していけるかがポイントになります」

 3年前よりも心が成長した自分を実感する。

「サーフィンは、悔しい思いも経験させてくれたけれど、自分を強くしてくれました。目指すのは、(『鬼滅の刃』の)竈門(かまど)炭治郎です。人に優しく自分に厳しく。それが人間の最上級。サーフィンを通してそんな人間になりたいと思ってます」

 パリ五輪で、その人間力が垣間見えるような演技を見せる。それが、今の夢だ。(構成/ライター・野口美恵)

AERA 2024年1月15日号より抜粋

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