都筑有夢路(つづき・あむろ)/2001年4月5日生まれ。神奈川県藤沢市出身。21年、東京五輪サーフィン女子で銅メダルを獲得。22年から木下グループ所属(撮影/写真映像部・上田泰世)
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 東京五輪・サーフィン競技の初代メダリスト、都筑有夢路(22)。約2年半経ったいま、パリ五輪を見つめている。AERA 2024年1月15日号より。

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 21年夏、東京五輪の初代メダリストとなり、注目度は急上昇。しかし22年、23年は、力を発揮しきれないシーズンを送った。

「すごいメダルを取ってしまったからこそのプレッシャーを感じるようになりました。調子が良くても試合になると結果が出せなくて、『五輪でメダルを取れたのに』とジレンマも感じて。特にパリ五輪の出場枠をかけた23年の試合では、『皆が自分に期待しているから勝たないといけない』と考えてしまい、自分の演技が出せず悔しい思いをしました。やっと、メダリストだからこそ人間的に大人にならなきゃ、と気づきました」

 自問自答するなか、気持ちを整えるきっかけをつかんだ。

「23年の海外ツアーの終盤に自分と向き合う時間を持てて、『やっぱり楽しんでやるって大事だよね』と思い直すことができたんです。その後11月には、台湾と韓国の大会で準優勝と優勝をできて、やっと、プレッシャーと楽しさのバランスが見つけられたなと思いました」

(撮影/写真映像部・上田泰世)

目指すは竈門炭治郎

 重圧をリセットするため、ある秘訣を見つけたという。

「まず何より、笑顔でいることです。普段の生活でも試合前でも、常に笑顔でいて、ストレスをためないこと。あとは、『1番にならないと』と思ってしまう自分を受け入れました。ミスも必要な経験なんだと思うようにしたら、プレッシャーが怖くなくなり、自然と笑顔でいられるようになったんです。最近、周りの方に『前より良い笑顔になったね』と言ってもらえることがあって、私の心が伝わるのかな、と思いました」

 苦しんだ2年をこう振り返る。

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