2年前に中止になって悔しい思いをした舞台「お勢、断行」が来月、2年前とほぼ同じキャスト、同じ劇場で上演される。中止になってすぐ、「2年後に同じメンバーでやりましょう」とスタッフが動き、キャストも、スケジュールを調整した。江戸川乱歩の「お勢登場」を原案とし、倉持裕さんが作・演出を務める。倉持さんは公演チラシに、「あれからおよそ2年。ウイルスから派生した様々な問題に関し、世界中で対立が生まれ、大勢がそれぞれの立場で正義と悪を生み出した。これは善悪を巡る芝居である。当時より鮮明に映えると思う」とのコメントを寄せている。
「舞台は、他のエンタメに比べたら規制が少ないので、社会の問題に対して、何らかのメッセージを投げかけやすいメディアだと思います。それに、舞台では大きな嘘がつけます。シンプルなセットでも異国に見せることができるし、過去や未来も思いのままに行き来できます。観る側にとっても、すごくイマジネーションが広げられる場所なので、本当は、もっと幅広い世代が観てくれたらなぁなんて思ったりもします。もしも私・倉科カナという俳優に興味を持ってもらって、そこから演劇に興味を持ってくださる人が増えたらどんなに嬉しいか。私は、大好きな演劇に貢献できるのなら何だってする覚悟です。大げさじゃなくて、本気でそう考えています」
誰かの顔がほころぶ瞬間が好き
一途さゆえに、ストイックになりやすい性格だった。休みの日も、映画や舞台を観ては、「ああ、この人はこういうお芝居をされるのか」などと、つい考えてしまう。四六時中、芝居から抜ける暇がなかったのが、ある時期からは、自分を甘やかすことも覚えたらしい。
「お休みの日は何もしません。昼からお酒を飲んで、家事もせずにデリバリーを頼んで、時間を浪費する(笑)。それが一番贅沢なお休みの日の過ごし方ですね。私、オンとオフのメリハリがすごくあって、オフのエンタメはアニメ限定。アニメのお芝居は別次元だから、頭を空っぽにして、トリップできるので」
自分が、ストイックになりやすいこともわかっているから、コンディションをキープするためのメニューにも、逃げ道を作っている。「身体が硬くなった」と思ったときに、実践できるエクササイズにバリエーションを持たせているのだ。