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 年末に行われる漫才の祭典『M-1グランプリ』は、業界内外で多くの人の注目を集める。なぜなら、それは単なる漫才の大会にとどまらず、新たなお笑いスター発掘のための見本市でもあるからだ。

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 昨年末にそこで優勝を果たしたのは、髙比良くるまと松井ケムリのコンビ・令和ロマンだった。通常、M-1チャンピオンは優勝決定の瞬間から一気に仕事が増えて、数多くのテレビ番組に出演することになる。

 しかし、この年末年始に彼らの姿をテレビで見かける機会はそれほど多くはなかったと感じている人もいるかもしれない。その理由は、昨年の『M-1』が12月24日というかなり遅い時期に行われていたことだ。年末年始のバラエティ特番のほとんどは事前に収録が行われているため、24日に決まったM-1王者をブッキングすることは困難なのだ。

 2001年に始まった『M-1』は、2010年にいったん終了して、2015年から復活した。その2015年以降の第二期『M-1』の初めの頃は、決勝が12月の一週目(2~6日)に行われていたため、そこで活躍した人が年末年始番組の収録にも出ることができた。彼らはそこで弾みをつけて、勢いに乗ることができたのだ。

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ラリー遠田

ラリー遠田

ラリー遠田(らりー・とおだ)/作家・お笑い評論家。お笑いやテレビに関する評論、執筆、イベント企画などを手掛ける。『イロモンガール』(白泉社)の漫画原作、『教養としての平成お笑い史』(ディスカヴァー携書)、『とんねるずと「めちゃイケ」の終わり<ポスト平成>のテレビバラエティ論』 (イースト新書)など著書多数。近著は『お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで』(光文社新書)。http://owa-writer.com/

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