巨人に次いで積極的な補強を見せている球団と言えば、2年連続の最下位から巻き返しを目指す中日と言えそうだ。最大の補強はやはり巨人を自由契約となった中田翔の獲得だろう。昨年は太ももの肉離れや腰痛もあって出場試合数を減らしたが、それでも15本塁打を放つなどまだまだ長打力は衰えていない。日本ハム時代は札幌ドームを本拠地としながらも8度のシーズン20本塁打以上を放っており、広い球場を苦にせずにホームランを放つことができるというのは長打力不足の中日にとって極めて大きい補強と言えるだろう。
中田以外にも中島宏之、上林誠知、山本泰寛と他球団で実績がありながら自由契約となった選手を獲得。中島はチームの課題の一つである代打の切り札としてまだまだ期待できる。上林もここ数年は精彩を欠いているだけに過剰な期待は禁物だが、左の強打者という意味ではチームの補強ポイントにマッチしている。また内野陣も実績のない若手が多いだけに、経験豊富なユーティリティプレイヤーである山本の加入も確実にプラスとなるはずだ。ここ数年の低迷ぶりを考えるといきなり優勝争いに加わるというのは難しいかもしれないが、何とかチームを浮上させようという意図は感じられる。
ここまで挙げた2球団ほど話題にはならないが、確実な積み上げが見られるのがヤクルトだ。大きな課題である投手陣は、まずソフトバンクで長年中継ぎとして活躍した嘉弥真新也を獲得。昨年こそ大きく成績を落としたものの、それ以前は6年連続で50試合以上に登板しており、実績は申し分ない。左の中継ぎは山本大貴くらいしか頼れる投手がいなかっただけに、嘉弥真にはフル回転の活躍が期待される。
また元山飛優との交換トレードで西武から宮川哲を獲得できたことも大きい。昨年は先発転向に挑戦して結果を残せなかったが、2020年には49試合、2022年には45試合に登板しており、中継ぎとしては十分な実績を誇る。三振を奪えるのも魅力だ。二軍では先発としても結果を残していただけに今年はどちらでの起用となるかはまだ不透明だが、投手陣の底上げという意味では確実なプラスと言えるだろう。