事故から一夜明けたJAL機

 42年間パイロットを務めた元JAL機長で航空評論家の小林宏之さんは「何らかの意思疎通のミスがあったことが考えられる」と指摘する。

「管制塔とパイロットは、言葉だけのやり取りで離着陸を行う。私も現役のとき、着陸の際に、待機している他の機体が近づいてきて何度かヒヤッとしたことがある。とはいえ、パイロットは管制塔の指示をオウム返しで復唱することなどを徹底している。海外の一部の空港では、滑走路に離着陸の指示をする信号機のようなものが設置されており、今後言葉だけのやりとりの見直しが検討される可能性もある。管制官によっては英語の抑揚や発音に癖があったり、無線の電波状況が悪かったりなどで、やり取りが聞き取りずらいこともある」

日本航空のカウンターには振り替え便に乗り込む人らの列ができた

 旅客機と海保機では機体差が約3倍もある。JAL機516便は全長約69m、海保機は全長26m。

「飛行機は着陸の際、時速約250キロメートルのスピードが出ている。海保機は衝突によって爆発した可能性がある。大やけどとはいえ、機長はよく助かったと思う」(小林さん)

 事件に詳しい捜査関係者によれば、機長は集中治療室で治療を受けているものの、会話は可能な状態だという。

 羽田空港の発着便には、現在も欠航が相次いでおり、Uターン客を直撃している。

 島根に帰省する30代男性はこうため息を漏らす。

「4日から仕事だったが、いつ帰れるかいまだにわからない。このままだと、三連休明けに帰ることになりそう」

(AERA dot.編集部・板垣聡旨)
 

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