エンゼルスは2014年を最後に9年連続プレーオフ進出を逃し、主力の大谷が移籍したことで過渡期を迎えている。投打ともに戦力として計算できる選手は少なく、有望株の数も他チームに比べ豊富ではないのが現状だ。
「(トラウトは)エンゼルスでは王様的存在で居心地が良いはず。しかし勝利という結果が出ず、自身も怪我や故障に悩まされている。心機一転、移籍して勝利を目指す可能性はある」(スポーツマネージメント関連会社関係者)
長期契約を結んだ時期は大谷の加入などもあり、ポジティブな要素が多かった。だが、相棒がいなくなった今、チームは再び夢の持てない状態に逆戻り。希望すれば球団は移籍を容認すると言われており、可能性は決して低くない。本人は今後もエンゼルスでプレーする意向は示していたが、大谷の移籍で心変わりしたとも考えられる。
「米国球界を取り巻く環境も移籍を加速させるかもしれない。配信放送などが発達して米国のどこにいても全球団の試合が見られる。球団より選手を応援するファンも増えている。トラウトファンは彼がどこのユニホームを着ていても応援するという状況もある」(スポーツマネージメント会社関係者)
一昔前なら本拠地以外ではブーイングが当たり前だったが状況は変化した。大谷がどこへ行っても応援されるのを見てもわかるが、生え抜きやフランチャイズ選手に対する思い入れも減りつつある。
「(トラウトは)個人タイトルは少ないがリーグMVPに3度選出されており、残るは世界一。野球人として最高の栄誉を求めたければ、勝てるチームを選ぶのが自然」( MLBアジア地区担当スカウト)
「エンゼルスにとって(トラウト放出は)ビジネス面でもうまみがある。契約内容次第にもよるが残りの高額年俸を支払わなくても良くなるはず。低年俸で将来性ある若手を集められ、勝てるタイミングを見定めることもできる」(スポーツマネージメント会社関係者)
2009年ドラフト1巡目(全体25位)で入団した生え抜き。走攻守揃ったMLB屈指のスター選手放出は、日本なら「考えられないこと」だろうが、米国ではむしろ“必然”と考える人がほとんどだ。