(写真はイメージ/GettyImages)

 食事の時に何から食べるか? 順番を変えるだけで、空腹を感じにくくなり、メタボ予防になるそうだ。「肉や魚などのたんぱく質を最初に食べることで、血糖値が安定して空腹を感じにくくなる」と話すのは、脳卒中の死亡率が全国ワーストクラスだった長野県を健康長寿県に導いた医師・鎌田實(かまた・みのる)さん。鎌田さんの著書『鎌田式長生き食事術』(アスコム刊)から、「たんぱくファースト」を紹介する。

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「たんぱくファースト」はいいことだらけ

 「たんぱくファースト」と「カーボラスト」で血糖値を安定させれば、空腹を感じにくくなり、メタボ予防にも効果的。さらに、集中力が増して仕事や家事の効率アップも期待できるなど、いいことだらけです。

肉や野菜を先に食べて主食はその次

 肉や魚などの主菜を先に食べる、これを自分の中で徹底的にルール化しよう。さらに、野菜も一緒に食べると栄養バランスばっちり。

「たんぱくファースト」は血糖値をおさえる

 食事のときに、最初に野菜を食べることを「べジファースト」といいます。

 まず食物繊維をとることで糖の吸収をおさえ、血糖値の上昇を防ぐことができるし、食欲をおさえることもできるという考え方です。

  ただし、鎌田式はちょっと違う。先に食物繊維をたっぷりとると、たんぱく質の吸収までおさえてしまうことがあり、フレイルが気になるご高齢の方には、手放しではおすすめできません。

 そこで提案したいのが「たんぱくファースト」。食物繊維と同じように、たんぱく質にも血糖値の上昇をおさえる効果があることがわかっています。

 肉や魚などの主菜を先に食べ、そのときにサラダなどの副菜も一緒に食べれば、血糖値の上昇をおさえ、たんぱく質もしっかりとれます。

ごはんやパンは最後に食べる「カーボラスト」

 ごはんやパン、麺類などの主食を食べるのはそのあと。これを「カーボラスト」といって、最近では「べジファースト」以上に大切だといわれるようになりました。「カーボ」=炭水化物(糖質)を最後に食べるから「カーボラスト」です。

食後に血糖値が急上昇する「血糖値スパイク」

 血糖値は本来、ゆるやかに上下するが、急激に変化すると(=血糖値スパイク)血管が傷ついたり、詰まりやすくなってしまいます。

 食後に血糖値が急上昇する「血糖値スパイク」は、血管や脳細胞の慢性炎症を起こしやすくし、認知症のリスクを高めます。また、動脈硬化が進むと、脳の細胞へ血液が十分に届かずに、脳機能がおとろえてくる可能性があります。

「たんぱくファースト」で肉や魚を最初に食べ、「カーボラスト」で最後に主食。

 こうして食べる順番を変えるだけでも、さまざまな疾患を引き起こす血糖値スパイクの予防に。それが、90歳を超えて「元気に長生き」の秘訣です。