大宮:子どもたちは、クイズ好きだから、クイズをもとにいろんなアプローチができるんだねぇ。

伊沢:クイズって子どもたちからすると、大人と対等にしゃべれるツールかなと思うんですよね。でも、東大の名前でクイズ番組に出ることが、子どもたちに変な影響を与えてないかなとは考えました。「東大王」っていう番組に立ち上げから関わって人気番組になりましたけど、言ったら破廉恥(はれんち)なタイトルなわけです。「東大+王」で、クイズが強いのが東大だ、みたいな。番組では全然そんなこと言ってないし、すごく丁寧に作られている番組ですけど、一方でそのタイトルの引きが強すぎて、東大というものが、学びと研究の機関というより、目指すべきブランドになってしまった側面は否めないと思うので、そうすると自分は加害者だなというのは、常に思ってます。だからこそ、東大ってもっと多様な学びがあるところだし、東大以外の大学もすごいところがいっぱいあることを伝えたいなとは思ってますね。

大宮:深くて真摯であったかいね。

伊沢:東大生自身も「東大」の名を過度に気にしちゃって、自分からレッテルに縛られにいってるなと思うこともあって。そこからは解き放たれてほしいというか。東大の名前より自分の名前を優先して、たくさんの物差しでもって自分を測ってほしいなと思いますね。

AERA 2024年1月1-8日合併号

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