今季は0勝に終わった阪神・秋山拓巳

 まもなく暮れる2023年を、AERA dot.で読まれた記事で振り返ります。11月は、阪神が日本シリーズでオリックスを下して38年ぶりの日本一に。各地ではクマが相次いで出没し、人的被害が過去最多になったと環境省が発表しました。また、創価学会の池田大作・名誉会長が亡くなりました。AERA dot.では、プロ野球のシーズンが終了し、選手生活の大きな分岐点を迎えた選手たちについてまとめた記事「今オフ『戦力外』を免れたが厳しい立場なのは? 来季が正念場の『崖っぷち』選手たち」が読まれました(肩書や年齢等は配信時のまま)。

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 11月6日、今年の第2次戦力外通告期間が終了した。既に引退の意向を表明している選手や育成選手として再契約する見込みの選手も含まれているが、12球団合計で143人が自由契約となっている。11月15日には12球団合同トライアウト(鎌ケ谷スタジアム)が行われるものの、ここから来季も支配下選手としてプレーできる選手は一握りと言えるだろう。
 

 一方でこのオフは自由契約とならなかったものの、苦しい立場となっている選手も少なくない。まず大きな話題となっているのが銀次(楽天)だ。10月13日には複数のメディアから来季の構想外となっているという報道があったものの、結局球団からは正式な発表はないまま通告期間は終了している。

 銀次は球団創設2年目の2005年の高校生ドラフト3巡目で入団し、生え抜き選手としては初となる通算1000本安打も達成したまさに球団の顔と言える選手の一人である。しかし今年は出場機会が激減。一軍でわずか6試合の出場で1安打という成績に終わった。来季も現役を続けるかは極めて不透明な状況で、その動向を注目しているファンも多いが、仮に残留となったとしても正念場のシーズンであることは間違いないだろう。

 セ・リーグで実績がありながら、ここ数年一気に苦しい立場となっているのが小林誠司(巨人)だ。2017年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)、2019年のプレミア12では侍ジャパンにも選ばれるなど球界を代表する守備型のキャッチャーとして活躍したが、2019年オフに4年契約を結んでからは成績が一気に悪化。この4年間で放ったヒットはわずか22本に終わっている。

 毎年のようにトレードの噂がありながら残留となってきたが、今年で契約が切れることを考えると、このオフには大幅減俸となる可能性は極めて高い。同じ捕手出身の阿部慎之助新監督がどう小林を評価しているかは分からないが、来年で35歳という年齢を考えても、選手生活の大きな分岐点となるシーズンとなりそうだ。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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