そしてその平嶋以上の大器として期待が高いのが森陽樹(1年)だ。中学時代にはスピードが出づらいと言われる軟式で早くも140キロを超えて評判となっていたが、高校入学後も順調に成長。秋の近畿大会では決勝で先発を任されるなど3試合、9回2/3を投げて被安打4、無失点、16奪三振と圧巻の投球を見せている。チームのコーチが計測したスピードガンでは早くも150キロを超えており、またその数字以上に勢いを感じるストレートは大きな魅力だ。また平嶋、森以外にも南陽人(2年)、川上笈一郎(2年)、中野大虎(1年)と140キロ台中盤のスピードを誇る右腕が揃い、サウスポーの山口祐樹(2年)も安定感がある。新基準のバットでこれだけの投手陣を打ち崩すのは簡単ではない。明治神宮大会で課題だった守備が整備できれば、2年ぶりの頂点も見えてくるだろう。

 その他のチームでは青森山田、八戸学院光星の青森勢2校も強力投手陣を誇る。青森山田はともに長身で140キロ以上のスピードを誇る関浩一郎(2年)、桜田朔(2年)が強力な二枚看板となっている。揃って完投能力があるのは大きな強みだ。一方の八戸学院光星も夏の甲子園でも登板した洗平比呂(2年)、岡本琉奨(2年)の140キロサウスポー2人に加え、秋は同じ左腕の森田智晴(2年)も大きく成長。これだけ力のある左投手が揃うチームは全国でもないだろう。ここ数年は仙台育英(宮城)が東北を牽引してきたが、今年は青森の2校が中心となる可能性も高そうだ。

 忘れてはならないのが広陵(広島)だ。何よりも大きいのが絶対的エースの高尾響(2年)の存在だ。入学直後から名門の背番号1を背負い、2年で出場した春、夏の甲子園でも好投。秋の明治神宮大会では序盤に崩れてまさかの初戦敗退となったが、出場した全投手の中で最速のスピードをマークして実力の片鱗は見せている。スタミナ面が強化されれば、攻略はさらに困難になるはずだ。また旧チームから不動の正捕手である只石貫太(2年)の存在も大きい。大器と評判の右腕、堀田昂佑(1年)が成長して、どこまで高尾の負担を小さくできるかがカギとなりそうだ。

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新基準バットの効果は一時的?