ほか24年は台湾、ロシア、インドなどでも選挙が予定されている。特に1月の台湾総統選は混戦と伝えられ野党国民党が勝てば対中融和路線に変わる。東アジア情勢に与える影響は大きい。22年2月以降、欧米の民主主義とロ中の権威主義の対立ばかりが語られてきたが、台湾や米国の選挙結果によっては大きく異なる景色が現れる可能性がある。様々な可能性に備えておくべきだろう。
産業面では生成AIのインパクトがいよいよ市民生活に入り込んでくるはずだ。24年こそが、本当の意味でポスト・ポスト冷戦の始まりの年になるのではないか。
日本政治はそんな時代に対応できるのか。現状は不安になるばかりだ。岸田政権の支持率は過去11年で最低にもかかわらず、野党があまりに弱いため政権交代の機運も一切ない。早めの解散で民意を問い、激動の時代に対峙する強靱な政権に生まれ変わってほしいが、そもそも担う人材がいるのか。
とはいえ愚痴(ぐち)をこぼしてもしかたない。危機はチャンスだと言う。激動の24年が日本政治を変えてくれると信じて、年の瀬を迎えることにしよう。
※AERA 2024年1月1-8日合併号