マンション管理士は、マンションで起こる困りごとを専門知識で解決する「士業」にあたる。「独立して食っていける」「年を取ってもムリなく働ける」という触れ込みで、中高年男性に人気の資格だ。
Eさんはマンション管理士に加えて、「宅建」「管理業務主任者」「不動産コンサルタント」と、不動産に関する資格を4つ持っている。しかし、Eさんの本業は不動産関係ではない。
さらに、Eさんは「中小企業診断士」「CFP(認定ファイナンシャルプランナー)」の資格も保有。いずれもここ数年で取得した資格ばかりだ。
「50歳を目前に、会社を辞めた後のことを考えると、早めに可能性を探っておきたいというのがありました。それで積極的に資格を取ろうと考えて」
Eさんのように、「セカンドステージの準備をしたい。とりあえず資格だ」と考える中高年は多い。こうした資格試験の会場は、受験者のメインが中高年男性ということがしばしばある。
会社員が1000時間の受験勉強をするには
Eさんの本業は、従業員20人ほどのITベンチャー企業の財務担当だ。
Eさんがこれまでに取得したマンション管理士や中小企業診断士は、仕事をしながら合格を勝ち取るにはハードルの高い試験だ。マンション管理士の合格率は7~11%、中小企業診断士が4~7%(一次と二次のストレート合格の場合)といわれており、いずれも狭き門である。
「難関資格の士業は、過去問を解きまくるような大学受験の時のノウハウは通用しないと思います。少なくとも1年間で1000時間の勉強は必要。仕事をしながらだと、その時間を確保することがポイントになります」