時代祭の装束。左から射手武士、紫式部、侍大将=京都市左京区の平安神宮、2023年

「技術の進歩により、いいものを創るという意識が高くなっています。かつては見えないからと見逃されたかもしれない衣装や小道具、あらためて考証が必要な箇所を、撮影の現場から画像や映像で送ってきて確認することもありました」(佐多さん)

市井の人のドラマを

 佐多さんは次回の「光る君へ」の風俗考証も担当する。

「平安の時代は歴史のなかで、衣装などが一番美しいともいえる時代です。艶やかな世界を再現しているので、その点を注目してください」と力説する。

 その一方で佐多さんは、市井の人のドラマを見てみたいとも話す。

大河ドラマをはじめとして今は派手さが求められすぎているようにも感じます。素材はたくさんあるので普通の人を主人公とした普通のドラマを見てみたいですね。でも、それが一番難しいのかもしれません」

 応仁・文明の乱、徳川綱吉、そして市井の人のドラマと、人それぞれ望む大河ドラマのテーマは違う。それだけ期待が大きい証しである。

 さて、あなたはどんな大河ドラマが見たいですか。(ライター・鮎川哲也)

AERA 2023年12月25日号より抜粋

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