気道に炎症が起きて、空気の通り道が狭くなる

 ぜんそくは、ダニなどのアレルゲンによって空気の通り道である気道(気管支)に炎症が生じ、過敏になる病気です。炎症によって気道はちょっとした刺激でも咳が出るようになります。気管支の粘膜がむくんだり、粘膜を覆う「基底膜」が厚くなったり、さらには気管支の「平滑筋」という筋肉が収縮したりして、空気の通り道を狭くします。そのため、息が苦しくなったり、喘鳴が起きたりするのです。

 かぜを引いていないのに特徴的な咳が続く、あるいはかぜが治ったあとも咳だけ続いている場合には、小児科で相談してみましょう。国立成育医療研究センター総合アレルギー科診療部長の福家辰樹医師は次のように話します。

「親御さんのなかには、『うちの子はかぜを引いたときにしかぜいぜいしないので、ぜんそくじゃないです』とおっしゃる人も多いのですが、それこそがぜんそくの特徴的な症状です。普段は症状がなくても、かぜのときや走ったあとなどにぜいぜいするというのは、気道が過敏になっている証拠です。慢性的に気道に炎症が起きている状態で、『隠れぜんそく』とも呼びます」

アトピー性皮膚炎があると発症リスクが高くなる

 子どものぜんそくの発症には、アレルギー性疾患の関与が大きく、アレルギー性疾患をもっている子どもは、ぜんそく発症のリスクが高くなります。とくに乳児期にアトピー性皮膚炎を発症している子どもでは、アトピー性皮膚炎のない子どもに比べて2~3倍、ぜんそくになりやすいとされています。

 そのほか、ダニ、ホコリ、花粉など、複数のアレルゲンをもつ子どもも発症リスクが高くなります。また、女児よりも男児に発症しやすいとされています。

「アレルギー性疾患になりやすい体質や、ほかのアレルギー性疾患(アトピー性皮膚炎、食物アレルギーやアレルギー性鼻炎、花粉症など)の有無、生活環境、気候、体質(遺伝)など、さまざまな要因が複雑にからみあって、ぜんそくになると考えられています」(福家医師)

気道の炎症・過敏性をみる検査をおこなう

 ぜんそくの検査は、問診や血液によるアレルゲン検査のほかに、呼気一酸化窒素(NO)検査、気道過敏性検査、スパイロメトリー(呼吸機能検査)などで、炎症の状態や気道の過敏性、狭窄(狭くなること)の程度などを調べます。

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小学校入学前の子どもでは検査が難しいときも