問診では、咳や息苦しさ、喘鳴の様子、アレルギー性疾患を中心とした病歴、家族にぜんそくやアレルギー疾患をもった人がいるかどうか、生活環境などをくわしく聞きます。

 検査のなかには、深呼吸をしてもらうなど、本人の協力が必要なものがあるため、小学校入学前の子どもでは検査が難しいかもしれません。その場合は、そのほかの検査結果をもとに総合的に判断して、診断がつけられます。

 ぜんそくと診断がついたら、症状の強さ、喘鳴や呼吸困難の頻度、睡眠や日常生活にどれくらい支障が出ているかなどを総合的に判断して、重症度が決められます。

重症度に合わせて薬が選択される

 ぜんそくの治療では、重症度に合わせて、吸入タイプの薬を用います。主に、気道の炎症を抑える「ステロイド」、狭くなった気管支を広げる作用をもつ「気管支拡張薬」で、即効性のあるものや、長時間効果が続くもの、長期に症状をコントロールする長期管理薬などがあります。

 ぜんそくでは一時的に症状が増悪する(強くなる)ときがあり、「ぜんそく発作」とも呼ばれています。発作は小発作(軽症)、中発作、大発作(重症)に分けられます。大発作では喘鳴が強くなり、動けない、返事ができない、呼吸困難などが起こり、周囲の大人はあわててしまいますが、あらかじめ主治医と話し合って発作時の対処法、受診のサインを決めておき、焦らず速やかに対処することが大切です。

 発作を防いで良い状態を維持するために、アレルゲンの除去(ダニ、ホコリ、ペットの毛、煙など)、かぜなどの感染症の予防、体調管理に留意することも重要です。

子ども、家族、主治医がチームになって取り組む

 ぜんそくは適切な治療で炎症がコントロールされていれば、多くは運動や部活、課外活動など、健康な子どもと同じ学校生活が送れます。オリンピックを目指すことも可能です。できること/できないことを主治医と相談して決めておくこと、また、学校の先生や友人など、周囲の人たちに話して、理解を得ておくことも必要です。

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主治医、家庭や学校などの周囲の大人が一つのチームに