無縁遺骨が合同埋葬される大阪市阿倍野区の市設の南霊園

「毎年1400~1600柱の遺骨を預かるのでどんどん増え、スペースが足りない。2年目から小さい3寸つぼに移し替えています」(同会)

 5年が経過すると、埼玉県毛呂山町にある第二聖恩山霊園の合葬墓に移され、葬られる。1999年以降、同霊園に行政が預けた遺骨は3万9900件にのぼるという。

 同会が運営する江古田斎場には遺体60体を保存できる巨大な保冷室がある。10月に取材で訪れると、運び込まれた日付が昨年末の引き取り手のない遺体があった。同斎場によると火葬までの平均安置日数は13日という。

AERA 2023年12月18日号より

火葬場は慢性的に混雑

 昨年1年間に国内で死亡した日本人は156万余と、統計を取り始めて以降、過去最多となる多死社会が到来。火葬場は慢性的に混み、火葬費も値上がりしているという。

 一方、大阪市では無縁遺骨の数が過去最多を更新。死者のうち11人に1人は無縁遺骨となっている。

 平野区にある市立瓜破(うりわり)斎場にある火葬場には、「遺骨保管室」と呼ばれる倉庫のような小さな部屋があった。中に入ると、8段ある高さ2メートルほどのステンレス製の棚が6台あり、約2千個の骨つぼがびっしりと並べられていた。

 赤い字で4桁の整理番号、氏名、火葬日、取扱葬儀業者が記された紙が貼られた骨つぼの保管期間は1年のみ。

 9割以上は引き取り手がないまま、無縁遺骨として阿倍野区にある市の南霊園内の無縁堂に移され、合同埋葬される。

 同市は毎年8月になると、直近1年で無縁遺骨となった数を集計するが、2021年は2767柱、22年は3149柱、23年は3408柱に上り、過去最多を更新した。

 今年の3408柱のうち約3千柱は葬祭扶助などで行政が火葬費を負担していた。

 葬祭扶助とは、身寄りがいなかったり、遺族が葬祭費を支出できない場合、家主や病院長など第三者が葬祭を執り行うと申請すれば、行政が費用を負担するしくみだ。

 厚生労働省によると、2022年度、全国の葬祭扶助の数は過去最多の5万2561件(速報値)にのぼった。葬祭扶助費は1件あたり約21万円とされ、支出総額は国と自治体の合計で約110億円にものぼる。都道府県別で最も多かったのは東京都で9313件。政令指定市で最多は大阪市の5252件で、いずれも過去最多だった。

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