鳴り物入りでソフトバンクに入団したカーター・スチュワートJr.だが…
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 カーター・スチュワートJr.(ソフトバンク)は6年契約の最終年となる来シーズンに真価を発揮することはできるだろうか……。オフのメジャー移籍が既定路線と見られているだけに、来季はスチュワートにとって非常に重要な年となる。

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 鳴り物入りで来日した全米ドラフト1位指名の大物右腕は、ここまでNPBで目立った活躍を見せられていない。推定6年総額700万ドル(当時のレートで約8億円)と実績のない選手としては異例の好待遇で迎え入れられたが、今のところ投資のリターンはないと言ってもいいだろう。

 ソフトバンク入団時には「近未来の大エース」と言われ、今頃はローテーションの柱として常勝軍団の主力になっているはずだったが……。

「高校までの投球を見ていれば大化け間違いなしと信じていた。しかしマイナーを含め米国ではプロの経験はなく、日本の高卒選手と同じ状況でのスタート。時間がかかるのは仕方がなかったかもしれない」(ソフトバンク関係者)

 高校生だった2018年にMLBドラフト1巡目(全体8位)でブレーブスが指名。しかし、右手首の異常が判明して契約条件が下げられたため入団交渉が決裂、短大でプレーしていた2019年6月に電撃的にソフトバンク入団を果たした。

「ドラフトからソフトバンク入りまでの一連の流れは米国でも大きく報道された。NPBに行くことで技術的な能力を磨くことができ、大きく成長できると好意的な意見もあった。しかし、ここまでは成長のスピードが芳しくなく、(米国では)あまり話題にならなくなった」(在米スポーツライター)

 10代のトッププロスペクトが米国でプロを経由せずNPB入りしたことは衝撃的だった。入団時は日米で大きな話題となったが、想像以上に苦戦。残り1年で結果を残せるかは微妙な状況となってきた。

「即戦力としての獲得ではなく高卒1年目と同等の扱いで契約したと聞いた。大卒1年目にあたる5年後にローテーションの柱になる青写真を描いていたので、予定の狂いが生じているのは否めない」(ソフトバンクOB)

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