質疑を報道したメディアはほとんどなかった
大々的にではないが、「週刊朝日」は2000年4月28日号で「国会質疑されたジャニーズ問題 自民党議員が質問」としてこの質疑を取り上げている。阪上氏が「ジャニー氏は親代わりで児童を預かっているのに性的な行為を強要するのは児童虐待にあたる」として、厚生省、警察庁などに見解を求めた様子を記している。だが、官僚たちが具体的な答弁を避けたことなどから、記事の終盤にはこうつづられている。
「盛り上がりに欠ける質疑だった。委員会終了後、阪上議員は記者会見を開いたが、翌日、報道したメディアはほとんどなかった」
では、当時の官僚たちは阪上氏の質問にどう答えたのか。議事録を元に再現してみよう。
阪上氏は「児童福祉法第34条第6号は、児童保護のための禁止行為を挙げている。ジャニー氏はこの法律に違反しているのではないか」と当時の厚生省児童家庭局長に迫った。
それに対して、局長はこう答弁した。
「同条の第6号には『児童に淫行をさせる行為』が規定をされておりまして、『淫行』とは、判例によれば、性交そのもののほか性交類似行為を含むというふうにされております。(中略)ご指摘の個別事案につきまして、それを判断するための情報がございませんが、一般論といたしましては、児童に対しまして今申し上げたような性交類似行為をするということは、児童福祉法34条の6号に違反しているというふうに考えられると思います」