病院に行くほどではないけれど…。そんな月経の不安や悩みを抱える人は多いのではないでしょうか。健やかな月経は女性のキレイと元気の基本です。この記事では、日本の漢方のルーツである中国の伝統医学「中医学」をベースとして、「経血の量」から身体の不調を知るポイントをわかりやすく説明します。
≪図解≫「未病」とは? 医師が解説する「予防医学」に通じる漢方キーワード
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経血量の異常も「月経不順」の一つ
「月経不順」は周期の乱れのことと考えがちですが、「経血量」が多すぎる、少なすぎるといった状態も、月経不順の一つです。
日本産婦人科医会による正常な経血量は、1回の月経で20〜140g(日数は3〜7日)で、個人差が大きいです。一般的には2〜3日目に量が多く、4日目以降は少なくなります。また、年齢的に見ると、初潮を迎えた頃の経血は少なく、身体の成熟とともに量も十分に。その後、40歳を過ぎる頃から減っていく傾向にあります。
個人差はありますが、こうした正常範囲の目安、年齢的な変化などを大きく超えて量が多い・少ないといった場合は、月経に異常があると考えてしっかり対処しましょう。
中医学では、経血量の異常は、主に体内の「気」(エネルギー)、「血(けつ)」が不足したり、巡りが悪くなったりすることで起こると考えます。また、月経と関係の深い五臓の「腎(じん)」や「肝(かん)」の機能低下が原因となることも。
女性にとって、月経は身体の状態を知るための大切なサインです。不調がある人はまず自分の体調をしっかり見直して、体質を整えるよう心がけましょう。
【チェック】タイプ別・経血量から不調をチェック!
月経を健やかに保つ基本は、体内の「気」「血」を養い、巡りを良くすること。生理痛やPMS(月経前症候群)などの改善にもつながるので、気になる人は積極的な対策を心がけて。
まずは血量が顕著に多く、月経が7日以上続くこともある「月経過多」の3タイプについて、解説します。経血量が多い人は、月経周期が早くなる(21日以下)ことも多いので要注意。改善せずに放っておくと、月経期間外に「不正出血」を起こしてしまうこともあります。以前と比べて量が極端に増えたときは、子宮筋腫などの可能性もあるので早めに婦人科を受診しましょう。
【量が多い「月経過多」タイプ1】「気の不足」タイプ
<気になる症状>
・月経の状態:経血の色が淡く、さらっと薄い
・その他の症状:疲労感、倦怠感、めまい、食欲不振、お腹の張り、軟便、舌の色が淡い