一方、宝塚歌劇団では外部専門家による新しい調査委員会を設置して、劇団員全員に事情を聞いていくとの方針を打ち出した。
私たちと劇団、どっちがまともなのか
Xさんは、
「多くの劇団員は、調査報告書の調査のやり方や内容などを信用していません。人が亡くなっているのに、『責任がない』『劇団を守るために』って通じることですか。何も解明されていないのに、劇団員から出る意見や批判を押さえつけて、表向きは調査して公演を始めるなんて、また同じことが起きます。私たちと劇団、どっちがまともなのか、閉ざされた世界なのでここにいるとわけがわからなくなります」
と感情をあらわに話しており、混乱している様子が伝わってくる。
コンプライアンスに詳しい元東京地検特捜部の郷原信郎弁護士は、
「今回の調査報告書は、内容を見ると内部調査です。しかし、独立した第三者委員会の提言のようなことも書いているので、信頼性に疑問を呈する声が出てくるのではないでしょうか。劇団側は独立性を担保した第三者委を早急に立ち上げるべきです。ジャニーズ事務所も1回目の記者会見で大失敗しました。宝塚も“二の舞い”になりかねないです」
と警鐘を鳴らしている。
(AERA dot.編集部・今西憲之)