古賀茂明氏
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 ガソリン価格が高騰した際にガソリン税を引き下げる「トリガー条項」の発動について、岸田文雄首相が驚きの行動に出た。

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「トリガー条項の凍結解除を含めて」自民党と公明党、国民民主党の3党で「検討する」よう自民党の萩生田光一政調会長に指示したのだ。これを受けて、11月30日に3党の協議が始まった。

 国民民主党はこれで自民党との取引に応じ、2023年度補正予算案に賛成した。

「トリガー条項」についての詳述は控えるが、今の政局との関係で最低限理解しておかなければならないことだけ紹介しておこう。

 トリガー条項の凍結を解除するということは、ガソリンにかかっているガソリン税(揮発油税+地方揮発油税)のうち、ある特定の上乗せ税率(1リットルあたり25.1円)がかからなくなることを意味する。つまり、ガソリンの店頭価格(消費税抜き)が25.1円安くなるのだ。その発動条件は、ガソリン価格が1リットルあたり160円を3カ月連続で超えることとされており、昨今の原油価格や円安の状況から、この要件が満たされる可能性は極めて高い。

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自民党議員から見れば、利権削減につながる話