長女が言った「私の後ろにもまだ並んでた」
武内さんが「どういうこと?」と問うと、長女はこう続けたという。
「『だって、私が空の上で並んでるとき、後ろにまだ並んでた』って答えるんですよ。実は彼女、胎内記憶が残っているんです。2歳半くらいのときに、ひげが生えたおじいさんから、『いま行きなさい』って言われたから、彼女は私の元に来た、って言うんですよ。何人も列になって並んでいて、おじいさんが言うんですって。そういう研究をしている方もいるそうで、同じような話をほかの子どもたちもすると知りました」
そのようなやりとりをしたあと、病院に行った武内さんは医師の言葉に驚いたという。
「お医者さんが『武内さん、双子って聞いてます?』って言うんです。『えー! 聞いてないです』って。娘に言った当時、妊娠から1~2カ月くらいだったので、私自身も双子かどうかわかっていないときだったんです。だから本当にびっくりして。娘の言っていたのはそういうことだったのかってわかりました」
そして、武内さんは、あることに思いが至ったのだという。
「長女を妊娠したのが、03年の紅白歌合戦の総合司会を務めた直後だったんです。だから、その話を聞いたときに、『あなた待っててくれたのか……』って彼女に対して思って。当時は『遅いなぁ』と思っていたけど、遅くもなく早くもなく、あのときが私の出産のときだったんだろうなと納得できましたね」
(AERA dot.編集部・唐澤俊介)
※【後編】(12月3日公開)に続く