年間配当1.3億円
長期的な値上がり益を見込んで購入し、基本は放置。「十分に上がった」と思えるまでは売らない。頻繁に株価も見ない。保有中は配当を得る。値上がり益と配当のハイブリッド作戦だ。新NISAでこの方法をまねさせてもらうのはどうだろう。
「以前は買う時点で配当利回り5%以上の銘柄を基準にしていましたが、最近は日本株全体が上がっていて。4%台でも内容が良ければ買います」
テスタさんの持ちっぱなし日本株を見たい。お願いすると、「うーん」と消極的ながらも見せてくれた。“買い煽り”にならないかを心配していた様子。本誌としては、長期保有であり、テスタさんは日頃触っていないため問題なしと判断した。日本株42銘柄、米国株8銘柄(取材日時点、以下同)を持っていた。全体から見て保有額が多い順に表にまとめてある。
日本株42銘柄の取得金額は28億5963万円で、配当の年間総額は1億3709万円(配当利回り4.79%)。米国株8銘柄の取得金額は2億3250万円で、配当の年間総額は708万円(配当利回り3.05%)。
実質利回り10%超
取得金額には買い付け後の利益も乗っている。つまり実際の購入資金はもっと少なく、実質的な利回りはもっと高い。
「たぶん利回りは10%を超えていると思います」とテスタさん。スケールが大きすぎてピンと来ないが、保有しているだけで毎年億超えの配当収入があることだけはわかった。
日本株の顔ぶれを見ていくと、最も保有比率が高いのはIDOMだが、こちらは他の銘柄と毛色(選んだ理由)が違う。
「中古車買い取り最大手のガリバーを運営している会社です。ビッグモーターの不祥事が発覚したとき、『そのうちビッグモーターの売り上げがライバル会社に流れるかもな~』と」
IDOMは配当利回りの水準もまずまず。11月17日終値で計算すると3.9%だ。ここで本誌はテスタさんに言った。
「IDOMだけ他の銘柄と比べて違和感があるので、脚注で説明しながらリストからはずしましょうか?」
すると、「現時点では量的に多く保有しているのは事実ですから」。潔い返事である。