10代のころのカウアンさん(写真=本人提供)

「当事者の会」に入らない理由

「会に入っても、被害にあった時期や程度も違うし、シビアな話だし、そこを僕は一緒にやる必要は感じないんです。『当事者の会』のメンバーの方から誘われたこともないですね。だけど、僕は彼らも尊重しています。一人では声を上げられない人たちもいますし、その声をすくい上げて、平本淳也代表など対外的に発信できる存在もいる。僕は一人で全部しゃべっちゃうから、まあそこは大丈夫というか」

 SMILE-UP.はホームページの「被害補償特設サイト」で11月22日、「11月20日時点で受付窓口に性被害に関する補償についてご連絡があった方は834人」とし、性被害の確認が取れたとされる35人に対して補償内容を通知したことを公表した。カウアンさんは被害者救済委員会に申告をしたのだろうか。

「申請が始まってからすぐにしました。あとは弁護士に任せようかなと思っています。僕の弁護士とSMILE-UP.側の弁護士、プロ同士で話し合ってもらいたい。お金の絡む補償や法律的な話は、弁護士同士ですり合わせてもらいたいですし、そのさじ加減は任せています。前代未聞で前例もないことなので、みんなそれぞれが、手さぐりの状態でやっていると思います」

 被害者をめぐっては、痛ましい事件も起きてしまった。11月14日、「ジャニーズ性加害問題『当事者の会』」のメンバーの男性が自殺していたことが報じられた。カウアンさんはX(旧Twitter)でこうつぶやいた。

「僕が一番恐れていたことが起きてしまいました。どうか皆さん慎重に愛を持って発言してください。ご冥福をお祈り申し上げます」

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