松下洸平さんがホストを務めるAERAの対談連載「じゅうにんといろ」、17人目のゲストはフラワーボックスの考案者として知られる、フラワーアーティストのニコライ・バーグマンさんです。松下さんは現在放送中のドラマ「いちばんすきな花」で花屋の息子役を演じていることもあり、ニコライさんの話に興味津々な様子。AERA2023年11月27日号より。
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松下:はじめまして! どうぞよろしくお願いいたします。
ニコライ:こちらこそ、よろしくお願いします。この対談企画はいつからですか?
松下:昨夏に始まり、1年と少しが過ぎました。ゲストは俳優仲間やお世話になった方の他、お会いしたことはないけれど、ぜひお話ししたいと思った方々にご登場いただいてきました。
今回、僕がニコライさんにお声がけしたのは、いまフジテレビ系ドラマ「いちばんすきな花」(木曜22時)で花屋の息子役を演じていることがきっかけです。あらゆるシーンに花がたくさん出てくる作品なので、花を職業にして、第一線で活躍されている方とお話をしてみたいと思い、編集部にお願いしました。そうしたら、ニコライさんにお越しいただけることになって、びっくりしています。
ニコライ:いえいえ、うれしいです。面白そうな作品と役柄ですね。
松下:ただ、僕は花が好きすぎて、花屋を継げなかった息子役です。僕と同じ36歳の設定で、自分の好きなものを仕事にするのは覚悟が必要だから、ということで彼は花屋を継ぎませんでした。花が好きだからこそ、なんです。
ニコライ:ああ、なるほど。それは、私と少し似ているかもしれません。
デンマークで生まれ、おじいちゃんはリンゴ農園を経営し、お父さんは花の卸屋さんでした。切り花ではなく鉢物を扱っていて、スウェーデンやノルウェー、オランダなどで父が展示会をする時は家族で一緒に行っていました。そんな生活の中で、自分が花が好きなことは自覚していたけど、あまりに近くにあったので、それが職業になるとは考えていませんでした。
松下:そうだったんですね。
ニコライ:デンマークでは15歳になると、最低3社でインターンシップをしなければならないという国の制度があります。それをしないと卒業できないんです。