北山宏光(撮影/蜷川実花 hair & make up 古久保英人(OTIE) styling 櫻井賢之(casico) costume アニオナ、トゥモローランド トリコ、ジジ)
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 38歳の誕生日、北山宏光は新しい場所から大きな一歩を踏み出した。17日にはデジタルシングル「乱心-RANSHIN-」の配信リリースを果たしたばかり。新天地での新たな生活、そして見据える未来とは──。AERA2023年11月27日号より。

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──取材は10月下旬。TOBEに合流してひと月余り、どんな日常を過ごしているのだろう。

 今は整理と準備の期間と言いますか、これまで自分がやってきたことに、1回「マルをつける」ということをやっています。今までお世話になってきた人たちと、もう1回会うこともそうだし……。21年の間にお世話になった方たちとどんどん会って、ちゃんとお礼をして、ざっくばらんに話をする。そんな時間を持つことが、僕が思う16歳から21年間やってきたことに「マルをつける」ってことですね。

 自分の意思で新しい道を選択して……これまでも自分の意思でやってきたことに変わりないんだけど、でも、ズルズル次に進むんじゃなくて、ちゃんと区切りをつけなきゃな、と思って。

──「もう一歩、進みたい」。退所前に出演したラジオでは、今回の決断に至る思いをそう語った。しかし本当に新しい一歩を踏み出すためには、とてつもなく大きな覚悟とパワーが必要だったことだろう。改めて、思いを貫いたその胸の内を尋ねた。

個人で挑戦してみたい

 う~ん……ま、人生1回ですからね。もうすぐ迎える40代を見据えた時に、グループでいることもいいんだけど、でもやっぱり一人の人間として、「個人で挑戦してみたい」という思いを貫いとかないと、絶対に後悔するなと思ったんです。もしかしたらこの先、一人になったことを後悔するかもしれないけど、でも、やらないで後悔するより、やって後悔した方が、僕は絶対に納得いく人間なので。小さいころから、親に「やめなさい」と言われてもやり続けて、怪我して「やっぱダメだったんだな」と納得するような子だった。もう、そういう性分なんでしょうね。

 あとは「歴」が長くなればなるほど、背負う荷物が増えて、それを下ろす勇気がなくなって動けなくなるんじゃないか、それは嫌だな、という思いもありました。下ろさないと新しい荷物は背負えない。僕はそう思うんです。でもその考え自体が正しいかどうかも分からない。他のメンバーに迷惑をかけられないし……。なによりファンのみなさんを驚かせてしまう申し訳なさもありました。でも、どこまで考えても最終的には自分の人生だな、と。これからの長い人生を考えた時に、自分に失望するような後悔だけはしたくない。そう思ったんです。

──その後、TOBEに合流することが発表されたが、今「TOBEだからできること」をどう実感しているのだろう。

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