最近では、強権的なマスコミ弾圧などが問題となるインドやトルコなどに対しても対ロシアや対中国の包囲網形成のために人権問題を不問に付す対応も目立ってきた。中国の人権問題には極めて厳しく対応して経済制裁まで発動していることと比べるといかにもバランスを欠いている。こうした米国の言動は、グローバルサウスの国々から二枚舌外交と批判されても仕方ない。そうした矛盾をついて、中国などは、米国こそ最大の人権侵害国だとして、黒人虐待の例を挙げて世界に喧伝している。

 冒頭で述べたとおり、米国などが行った数々の途上国への侵攻でも国連のルールが無視されてきた。これも、二重基準の典型だと批判されている。

 国連でも全ての国が平等だと言いながら、安全保障理事会では米中露などに拒否権があり、正義が実現できない。国連総会で圧倒的多数による合意があっても、強制力がない。これでも民主主義と言えるのかというグローバルサウス側の批判はあまりに正しくて反論は不可能だ。

 結局、西側諸国が作ったルールは、彼らが都合よく途上国から搾取するためのものだったという主張につながってしまう。

 そして、今回のパレスチナ大虐殺を止めようとしない西側諸国。ここまで来ると、グローバルサウス側が正義であると誰の目にも映る。今や、G7など過去の遺物で何の役にも立たない。グローバルサウスの方が健全な世界の常識であるということになりそうだ。

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中国は途上国から共感を得ることができる立場にいる