誰がどう考えても正義とは言えない言動を続けるG7は、今や世界から孤立しつつある。
世界には今、西側先進国、中国・ロシアなどの反西側の大国、そしてそのどちらにも与しないいわゆるグローバルサウスの国々がある。
今回のイスラエルとパレスチナの紛争について、グローバルサウス諸国の大半は明確にパレスチナ側に立っている。アラブ諸国やアジア・アフリカのイスラム諸国がそうなるのは自然だが、それ以外の国でも反イスラエルの姿勢は鮮明だ。そして、その結果として、イスラエルを支援する米国はじめG7などの西側先進国に対する反発が高まっている。
グローバルサウスの諸国はウクライナ紛争における対ロシア制裁に加わらない国が多かった。また、米中対立についても、アジアの途上国は、親米の諸国でもどちらにもつかない姿勢を貫いている。
その背景には、西側諸国の言うような自由、民主主義、人権、法治主義などの「理念に基づく外交」よりも、その場その場の実利を優先する外交の方が得だと割り切っているという面もあるが、むしろ、西側諸国の掲げる理念自体への不信がその根底にあるというのが本質なのではないだろうか。
米国など西側先進国は、その共通理念として、人権、民主主義、法治主義などを掲げてきたが、実際には、自分たちの都合の良いようにその基準を適用してきた。世界には中国以外にも深刻な人権問題を抱える国は多数存在するが、米国の対応には一貫性がない。皇太子が反政府的なジャーナリスト殺害に関与したとして批判の対象としてきたサウジアラビアに対しては、石油価格引き下げのために、この犯罪に目を瞑って協力を求めた。