でもいくら頑張っても、限界だった。娘は「自分はバカだ」と大泣きし、暴れることもあった。担任に怒鳴り散らされるのがわかっているから、「学校に行きたくない」と口にする朝も増えてきた。
無理して登校させることはない―。母はそう考え、週に2日ほどは自宅で過ごすようになった。
4年生になったとき、娘が宿題をできない原因がわかった。
きっかけは、学校から届いた1通の手紙だった。
手紙には、「教科書の音読がほとんどできない」とあった。
たとえば「とりのひなが……」という文字の間に改行が入ると、意味のまとまりがつかめなくなり「とりのひ、なが……」と読んでしまう。
「カクカクした声に」娘の音読ストレス
朗読をするときは、他の子どもの倍以上の時間がかかる。アクセントのつけかたが自己流で、文節も意味と関係ないところで区切っているという。
娘に聞くと、「スラスラ読めなくて、カクカクした声になってしまう。読めないところは、つっかえて、ずっと黙ってしまう」という。教室で注目を浴びてしまうことも、大きなストレスとなっていた。
米軍基地の近くに住んでいたこともあり、「国際性を育てたい」と2歳から米国人向けの保育園に通わせていた。そのせいか娘は、日本語より英語が得意になっていた。