一軍ではわずか3試合の登板だったものの、ストレートの平均球速は150キロを超え、被打率も非常に低く、手術前に比べても確実にスケールアップした印象を受ける。東洋大時代から同級生の上茶谷大河(DeNA)、甲斐野央(ソフトバンク)と比べてもポテンシャルの高さはナンバーワンと言われていただけに、コンディション面さえ問題なければ、来季は一気にエース格となることも十分に期待できるだろう。
投手で最後に取り上げたいのが根尾昂だ。投手に専念することとなった今年は二軍で0勝7敗に終わったものの、防御率は3.43と決して悪くなく、9月に先発した一軍の2試合でも安定したピッチングを見せた。さらにシーズン後に行われたフェニックス・リーグでも3試合に先発して防御率1.29、1イニングあたりの被安打と与四球で示すWHIPも0.76と抜群の成績を残している。シーズン序盤はコントロールに苦しむ場面が目立ったが、徐々にストレートも変化球もしっかり操れるようになった印象だ。仲地、梅津とともに先発ローテーション争いに加わってくれば、一気に投手陣が活性化することになるだろう。
野手で期待が高いのがやはりブライト健太と鵜飼航丞の2人だ。ブライトはルーキーイヤーの昨年は怪我で出遅れて不本意なシーズンに終わったが、今年は二軍で57試合に出場して打率3割以上をマークするなど確実な成長を見せている。OPS(出塁率+長打率)も9割近い数字を残しているというのも頼もしい限りだ。一方の鵜飼も1年目に比べて成績を落としたが、二軍では規定打席に到達した打者の中ではトップの打率をマーク(首位打者は規則により規定打席未到達の池田陵真が獲得)。課題の確実性は徐々に改善してきているように見える。課題の長打力不足解消のためにも、何とか揃って一軍の戦力になってもらいたいところだ。
野手で最後に取り上げたいのが田中幹也だ。ルーキーイヤーの今年はキャンプ、オープン戦から猛アピールし、侍ジャパンの強化試合でもその活躍が話題となった。