この秋のリーグ戦も6勝0敗、防御率0.35、奪三振率13.06とほぼ完璧な内容でチームを優勝に導き、MVP、ベストナイン、最優秀投手の三冠に輝いた。177cmと投手としては決して大柄ではないが、ストレートはコンスタントに150キロ前後のスピードをマークし、1回から9回まで球威が落ちないスタミナも持ち合わせている。打者の手元で鋭く変化するスライダー、フォーク、チェンジアップなど変化球も一級品だ。またそれ以上に素晴らしいのがコントロールで、右打者、左打者どちらの打者に対しても腕を振って両サイドに速いボールを投げ込むことができ、1試合あたりの与四死球も2個以下という見事な数字を残している。全国大会デビューとなった昨年秋の明治神宮大会の東農大北海道オホーツク戦でも先発で7回を投げて被安打4、1四球、8奪三振で無失点と圧巻の投球を見せた。今年注目を集めた東都大学の投手たちと比べても総合力では引けを取らず、人気を集めやすいサウスポーということを考えても投手の目玉となる可能性は高い。

 宗山、金丸の2人が頭一つ抜けた存在と言えるが、現時点ではそれに続く存在も大学生となりそうだ。投手では篠木健太郎(法政大)、寺西成騎(日本体育大)、中村優斗(愛知工業大)、徳山一翔(環太平洋大)、野手では西川史礁(青山学院大・外野手)、渡部聖弥(大阪商業大・外野手)の名前が挙がる。

 篠木は2年生で大学日本代表にも選ばれた本格派右腕。安定感には課題が残るが、リーグ戦では1試合のストレートの平均球速が150キロを超えたこともありスピードはプロでも上位のレベルだ。寺西は中学時代から評判だった大型右腕。星稜では怪我で目立った成績を残すことはできなかったが、大学で見事な復活を遂げた。悪い癖のないフォームから繰り出す150キロに迫るストレートと140キロを超えるスプリットは強烈だ。

 中村は愛知リーグで注目を集める右腕。コンスタントに150キロを超えるスピードに加えて制球力も高く、安定感という意味では金丸に次ぐ存在と言える。クイックや走者を背負ってからの投球がレベルアップすれば右投手の目玉となる可能性ありそうだ。徳山は西日本の大学を代表する本格派サウスポー。昨年の明治神宮大会で7回までノーヒットピッチングを見せて注目を集め、今年の大会ではNPBスカウトのスピードガンで153キロをマークするなどさらに成長した姿を見せた。変化球の精度が上がれば、より一層攻略が困難な存在となりそうだ。

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