今年のドラフト会議も終わったばかりだが、高校野球と大学野球は明治神宮大会、社会人野球は日本選手権が行われており、来年のドラフト戦線は既に動き始めている。そんな中から現時点でドラフト1位になりそうな選手を探ってみたいと思う。
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まずよほどのことがなければ、1位の可能性が極めて高いのが宗山塁(明治大・遊撃手)と金丸夢斗(関西大・投手)の2人だ。宗山は全国から逸材の集まるチームでも1年春の途中からショートのレギュラーに定着。その秋に早くもベストナインを受賞すると、規定打席に到達した5シーズン中4シーズンで打率3割4分以上をマークし、リーグ戦通算70試合で94安打、8本塁打、44打点、打率.348と圧倒的な成績を残しているのだ。同じ東京六大学出身のショートで2003年ドラフトの目玉だった鳥谷敬(早稲田大・元阪神、ロッテ)のリーグ戦通算成績が4年間で115安打、打率.333であり、これと比較しても宗山の数字の凄さがよく分かるだろう。タイミングをとる動きに全く無駄がなく、鋭い振り出しで広角に打ち分けることができ、いとも簡単にヒットを放つ。また強く振り切ってスタンドまで運ぶ長打力も持ち合わせている。
明治大の先輩である高山俊(元阪神)が持つリーグ戦通算131安打の更新は少し難しい状況だが、宗山は1年春、秋は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、試合数が通常より少ない開催(勝ち点制ではなく2戦総当たりの勝率制)であり、その中でもこれだけのヒットを積み重ねているのは見事という他ない。先に打撃について触れたが、それ以上に評価が高いのがショートの守備だ。軽快なフットワーク、鋭い出足、正確なスローイング全てが一級品で、今年も3年生ながら大学日本代表でも不動のショートとしてプレーしている。次の正遊撃手が必要な球団も多いだけに、複数球団による1位指名の可能性も高いだろう。
一方の金丸は関西の大学球界を席巻している本格派サウスポー。1年秋にリーグ戦デビューすると、ここまで通算33試合に登板して19勝2敗、防御率1.07と圧倒的な成績を残している。