田村奈都海さん(右)と田村昂佑さん(撮影/楠本涼)

 AERAの連載「はたらく夫婦カンケイ」では、ある共働き夫婦の出会いから結婚までの道のり、結婚後の家計や家事分担など、それぞれの視点から見た夫婦の関係を紹介します。AERA 2023年11月20日号では、洛中高岡屋の田村奈都海さん、イタンジの田村昂佑さん夫婦について取り上げました。

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夫27歳、妻27歳のときに結婚。夫は東京、妻は京都で暮らしている。

【出会いは?】大学時代、若い世代に伝統文化の魅力を伝える学生団体の「京都着物企画」で妻が会長を務めている時、夫が1年下の後輩として入会した。

【結婚までの道のりは?】お互い社会人になってから交際を始めた。仕事の拠点は夫が東京、妻が京都のため、会えるのは月1回程度。一緒に住まなくても信頼関係を築けると思い、結婚に至った。

【家事や家計の分担は?】「2拠点婚」のため、家事と家計はそれぞれが担当、管理している。

妻 田村奈都海[28]洛中高岡屋 プランニング部

たむら・なつみ◆1995年、京都市生まれ。京都大学卒業後、大学病院に就職、集中治療室の看護師として5年間従事。今年6月、座布団と布団を製造・販売する「洛中高岡屋」に転職。創業100年超の老舗で父が3代目社長。くつろぐための道具を意味する「寛具」(かんぐ)を提供

 福祉に興味があり、大学卒業後は関西の大学病院で、看護師をしていました。夫と付き合い始めたのはコロナ禍の時です。仕事柄、人と会えず、ましてや東京在住の夫と長い間過ごすことは論外で、会えない期間が長く続きました。

 でも、お互い大切に思い合えて、信頼関係を築けました。同居のめどはたっていなくても「家族」というくくりで、夫のことも大事にしていきたいと思い、結婚しました。

 私の家は老舗の座布団屋です。家業に就く予定はなかったのですが、今年、転職をしました。私の中で「看護」という軸は変わっていません。看護師として患者さんに寄り添う中で、その人の本来の姿に戻る“くつろぎ”の時間を作る大切さを感じました。それを、座布団や布団を通しても実現できると思ったんです。

 今は営業、広報などを掛け持ちし多忙です。気分の浮き沈みもある中、夫はいつもどっしり構えてくれて精神的にも支えてくれる心強い存在です。離れていても、大丈夫だと思えています。

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