※写真はイメージです(写真/Getty Images)

児童精神科医が少ない中、発達障害の疑いで受診したくても予約がいっぱいで初診まで何カ月も待たなければならないような事態が起きている。愛育クリニック(東京都港区)も毎月の予約は、受け付け開始から5分以内に埋まるという。発達障害関連が約6割を占めるそうだ。愛育クリニックの小児精神保健科部長を務める小平雅基医師に取材した。前編に続いて、後編をお届けする。

【グラフ】児童精神科外来を受診した子どもの疾患はこちら 発達障害が53%で最も多い

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――愛育クリニックの小児精神保健科では、患者さんの数は増えていますか?

 8年前にクリニックが稼働しはじめた当初は、それほど患者数は多くはなかったのですが、年々増えて現在に至っています。完全予約制で、現在受け入れ可能な初診者数は年間400人弱ですが、常に満杯です。

子どものこころ専門医で、愛育クリニック(東京都港区)の小児精神保健科部長を務める小平雅基医師

――初診の予約は取りにくい状況ですか?

 当クリニックの場合は翌月の初診予約を毎月1日にネットで受けつけます。現在は予約開始時間からだいたい5分以内で予約は埋まります。運が良ければ1カ月でかかれる人もいますが、4カ月予約が取れなかったという人もいるような状況です。予約が埋まる時間がどんどん短くなってきているので、予約がとりたくてもとれない人はかなりいらっしゃるのではないでしょうか。

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発達障害関連の初診時診断が全体の約6割を占める