それでも、スタッフがずっと屋外の敗者復活戦にこだわってきたのは、そこにドラマ性を求めていたからだろう。

伝説の敗者復活戦はサンドウィッチマン

 敗者復活戦から『M-1』史上最大のドラマが生まれたのは、2007年。サンドウィッチマンが初めて敗者復活戦から勝ち上がって優勝を果たしたのだ。サンドウィッチマンがそれまで世間にほとんど知られていなかったこともあり、見る人に与えた衝撃は大きかった。『M-1』という大会が一段と盛り上がるきっかけにもなった。

 敗者復活戦の会場は「地獄」と呼ばれていた。かつては敗者復活戦の模様がテレビで放送されることもなく、世間にも注目されていなかった。

 敗者復活戦の環境が過酷だったからこそ、そこから這い上がって活躍する芸人がより輝いて見えた。スタッフはそのドラマ性を重視していたからこそ、屋外開催を続けてきたのだろう。

屋内がいいに決まっている

 しかし、今年ついにそれが変わることになった。個人的には全面賛成である。出場する芸人が万全の状態でネタを披露して、観客が万全の状態でネタを楽しむ。そのためには落ち着いた環境である屋内の方が良いに決まっている。

 特に、2015~2022年の敗者復活戦会場だった六本木ヒルズアリーナは、都会の真ん中で近くに大きい道路もあり、さまざまな騒音がネタの妨げになることもあった。

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いまの時代の空気に屋外は合わない!?