そもそも、出演者や観客に一定の身体的負担をかけてまで大会を盛り上げるというやり方が、今の時代の空気に合わなくなっているという感じもする。

 屋内会場に変更されるからといって、敗者復活戦のドラマ性がなくなるわけではない。第二期の2015年以降でも、トレンディエンジェルが敗者復活からの優勝を成し遂げたり、敗者復活戦を制したハライチがラストイヤーで力のこもった漫才を見せたり、印象的な場面はいくつもあった。

 お笑いファンとしては、『M-1グランプリ』の開催日が発表されると「今年ももう終わりか」という感じがする。年末の風物詩として定着した『M-1』で今年はどんなドラマが生まれるのだろうか。(お笑い評論家・ラリー遠田)

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ラリー遠田

ラリー遠田

ラリー遠田(らりー・とおだ)/作家・お笑い評論家。お笑いやテレビに関する評論、執筆、イベント企画などを手掛ける。『イロモンガール』(白泉社)の漫画原作、『教養としての平成お笑い史』(ディスカヴァー携書)、『とんねるずと「めちゃイケ」の終わり<ポスト平成>のテレビバラエティ論』 (イースト新書)など著書多数。近著は『お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで』(光文社新書)。http://owa-writer.com/

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