近畿大学医学部皮膚科学教室主任教授の大塚篤司医師

アンチエイジングに有効な光治療の一つ、フォトフェイシャル(IPL)。肌のたるみやしわ、しみ、そして、赤みまで改善が期待できることから、近畿大学病院皮膚科の美容外来で最も人気のある光治療だそうです。近畿大学医学部皮膚科学教室主任教授の大塚篤司医師が、その効果や注意点について解説します。

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 フォトフェイシャル(IPL)は、近畿大学病院皮膚科の美容外来で最も人気のある光治療の一つです。IPL(Intense Pulsed Light)は、何色もの色が集まった特定な光を肌に当てることで、しみやそばかす、赤みなどの複数の肌のトラブルを改善することができます。この治療法は、アンチエイジングに有効であり、若い人から高齢の人まで多くの人々が肌の若返りのために利用しています。

光治療の一つ、フォトフェイシャル(IPL)の機器(大塚医師提供)

 IPL治療は、肌の表面にダメージを与えることなく、肌の奥深くにあるコラーゲンとエラスチンの生成を促進します。コラーゲンとエラスチンは、肌の弾力性とハリを保つために非常に重要な役割を果たしています。年齢とともにこれらの成分の生成が減少すると、肌はたるみやしわが出現しやすくなります。IPL治療によってこれらの成分の生成が促進されると、肌はより引き締まり、若々しい印象を与えることができます。

 また、IPL治療は、肌の色素沈着を改善する効果もあります。紫外線の影響でできたしみやそばかすは、肌の老化を感じさせる大きな要因となります。IPL治療を受けることで、これらの色素沈着を薄くし、肌のトーンを均一にすることができます。これにより、肌はより明るく、若々しい印象を与えることが可能です。

 さらに、IPL治療は、赤みや毛細血管の拡張を改善する効果もあります。これらの肌のトラブルは、肌の老化や日焼けによって引き起こされることが多いです。IPL治療によってこれらの問題を改善することで、肌はより健康的で若々しい印象を与えます。

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大塚篤司

大塚篤司

大塚篤司(おおつか・あつし)/1976年生まれ。千葉県出身。医師・医学博士。2003年信州大学医学部卒業。2012年チューリッヒ大学病院客員研究員、2017年京都大学医学部特定准教授を経て2021年より近畿大学医学部皮膚科学教室主任教授。皮膚科専門医。アレルギー専門医。がん治療認定医。がん・アレルギーのわかりやすい解説をモットーとし、コラムニストとして医師・患者間の橋渡し活動を行っている。Twitterは@otsukaman

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