illustration 小迎裕美子

25歳前後が分岐点

 ただ、港区女子を謳歌できるのは期限付き。ずば抜けてノリが良い女子、対等に男性と話ができて稼いでいる女子は別にして、25歳前後を境に“若くない側”に回るからだ。“新規補充”された10~20代前半の芸能人やラウンジ嬢、CA、美人OLたちを目の当たりにし、自分がチヤホヤされる側ではなくなったと気づいた。

「自分なりの面白さや魅力を磨かず若さにあぐらをかいて『会計も盛り上げも男の担当でしょ』と考えていると、『あいつはタク代ばかりせびる』となり、出禁になることもあります。そんな“妖怪化”する女性は一部ですが」

 港区で活動し、現実を突きつけられ続けてきた分、港区女子は賢い。世間一般で思われているような「就職先にもあぶれ、婚活にも失敗し、ハッピーではなく落ちぶれているんでしょ」的な“逆ドリーム”はレアケース。よくある「その後」は3パターン。昼の仕事に軸足を置きキャリア形成か、夜遊びついでにパートナーを見つけ結婚か、実家が太くて家業の手伝いか。ただ、女として消費され、値踏みされる部分が多いため、その目線が内在化し、不健全で歪んだ価値観が形成される人もいる。

「ホンマもん」の意見

 港区女子は「港区在住ではない」が大前提とされている。しかし港区在住の女性も当然ながら港区で活動しているわけで、“ホンマもん港区女子”たちにも意見を聞いてみた。

「港区在住って過剰な印象を与えるので、自分からは言いません。私が住むのは落ち着いた住宅地で、季節の草花、カエル、コウモリ、ハクビシン、サギなどもいて自然に恵まれています。それにしても、娘ともよく話しているんですが、港区在住の女性って綺麗な方が多い」(娘とふたり暮らしの女性)

「独身の頃、合コンで出会った男性に『港区に住んでいる』と言うと『お金がかかる。プライドが高い』と敬遠されがちで、別の区在住と嘘をついていました。今感じているのは、港区女子はまだ全然可愛らしく、港区マダムが厄介で最強ということ。麻布、青山辺りに住むマダムは、私が住む芝浦・港南エリアを港区とみなしていません。『(芝浦・港南エリアは)昔は海だった』とよくマウントされます」(独身時代から22年港区在住の既婚女性)

「50歳の誕生日記念として今年12月、港区六本木でディナーショーを開きます」

 こう言うのは、広告制作会社「アレス」代表取締役の駒村利永子さん。女性の悩みに特化したライフスキルのトレーニングプログラムであるLSYを開発し講座を運営する駒村さんは、かつて「港区女子」だった。

「30代で女子というのもおこがましいですが、32歳で上京してから、昼も夜も港区で過ごしていましたね」

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