テーブルもカウンターもモノでいっぱいのダイニング/ビフォー
この記事の写真をすべて見る

 5000件に及ぶ片づけ相談の経験と心理学をもとに作り上げたオリジナルメソッドで、汚部屋に悩む女性たちの「片づけの習慣化」をサポートする西崎彩智(にしざき・さち)さん。募集のたびに満員御礼の講座「家庭力アッププロジェクト®」を主宰する彼女が、片づけられない女性たちのヨモヤマ話や奮闘記を交えながら、リバウンドしない片づけの考え方をお伝えします。

【感涙のアフター】散らかり放題のリビングが、家族がくつろげる空間に

case.58  人としっかり向き合うように意識が変化

夫+子ども2人/パート勤務

「何かわからないけれどつらい」「こんなはずじゃない」「誰にどうやって相談していいかもわからない」……。

 このようなお悩みを抱えている人は、多いのではないでしょうか。実際、私が主宰する家庭力アッププロジェクト®の参加者の中にも、同じように悩んでいた方がたくさんいます。今回ご紹介するくみこさんも、そんな1人でした。

「私は、なぜか“忙しくないといけない”という思い込みが強かったんです。仕事を転々としたり、掛け持ちしたり、ボランティアの予定を詰め込んだりしていました。時間に追われながら夜まで働いて帰るという生活でしたね」

 21時まで仕事をして、帰ってからなんとか家事をこなす毎日。家の中は散らかり、家族とは会話もない。時間にも気持ちにも余裕のない状態でした。

 そんな中、くみこさんの父親が倒れて入院するという出来事が起こります。

「不安が大きくなって、精神的に何かが自分にのしかかってくるように感じたんです。それで、ふと散らかっている家の中を見たときに『ああ、なんでこうなってしまったんだろう』って思って。なんだか自分が信じられないというか……」

 今思うと、遅くまで仕事をしていたのも、汚い家や片づけられない自分と向き合いたくなかったからかもしれません。

 さらに転職をして仕事が少し落ち着いた頃、SNSを見ているときに家庭力アッププロジェクト®の存在を知りました。

「片づけるのは大変だとわかっていましたが、それ以上にすべてが大きく変われるような気がしたんです。この流れに乗らなかったら、自分は一生変われないって思って参加を決めました」

次のページ
モノが多い原因は家族の…