SNSに並ぶ甘い勧誘文句。X(旧ツイッター)から。画像の一部は加工しています

「疑われること」が増えた

 Xで「海外出稼ぎ」のワードを検索すると、海外での売春案件を紹介するスカウトやエージェントを名乗るアカウントが多数ヒットする。「月に500万円以上稼げる」「日本のようにノルマもなく、働きやすくて稼げる」「あまりに稼げるので、一度行ったらリピートする人が多い」など、甘い勧誘文句がずらりと並び、日々多くの情報が更新されている。

「こういう情報につられて、入国審査の準備もろくにせずに、海外に飛んじゃう子が結構いるんだと思います。そのせいか、絶対に(売春目的の入国だと)バレないように徹底している私も、疑われることが出てきました。日本人女性の一人旅と言うと以前より明らかに、疑いの目を持っていろんなことを質問されるようになったと思います。私みたいな日本人女性が増えているからでしょうけど……」(前出の女性)

 アジア各国から日本に出稼ぎに来る女性たちが「ジャパゆきさん」と呼ばれ、話題になったのは1980年代のことだ。それから40年、時代は変わった。知らず知らずのうちに日本が積み重ね、まとった貧しさが、ここに表れている。

(松岡かすみ)

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松岡かすみ

松岡かすみ

松岡かすみ(まつおか・かすみ) 1986年、高知県生まれ。同志社大学文学部卒業。PR会社、宣伝会議を経て、2015年より「週刊朝日」編集部記者。2021年からフリーランス記者として、雑誌や書籍、ウェブメディアなどの分野で活動。

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