国民文化祭と全国障害者芸術・文化祭の開会式に出席した天皇、皇后両陛下=10月15日、金沢市

 これまでも両陛下の地方公務に帯同し、石川訪問も取材した報道関係者は、

「車からのお手振りでも、相手が『自分を見ている』と感じるほど、ひとりひとりとじっと目を合わせるような仕草をなさる。ただし、大型公務が続くなか、機体トラブルも重なったためでしょう。石川県訪問の1日目は子どもの声もあちこちから聞こえましたが、人びととの目線が普段より合わないな、という印象を受けました」
 

服装もすこし乱れて

 四大行幸啓や都内や皇居での公務、そして上皇后美智子さまのお誕生日の訪問などの日程も、滞りなく終わった。

 そして10月23日には、東京・千代田区の国立劇場で催された歌舞伎を鑑賞。建て替えのため、10月末で57年の歴史に幕を閉じる国立劇場での“さよなら公演”だけに、おふたりも楽しみにしていたという。
 

 国立劇場に向かう両陛下が乗った車が、皇居を出発した。沿道では大の皇室ファンの女性がいつも通り、おふたりの笑顔を楽しみにカメラを構えていた。

 しかし、いつもより通過する車のスピードが速い。普段は全開になっている窓も、ガラスがやや上がり気味。

「車が速くて、両陛下のご様子が見られなかった」

 集まった人たちからは、そう嘆く声が上がった。
 

国立劇場に向かう両陛下。ジャケットの襟元が少し乱れ、お疲れのご様子だったと沿道から心配の声があがった=10月23日、読者提供

 女性は、撮影したばかりのおふたりの写真を見て驚いた。雅子さまのジャケットの首の後ろから肩にかけてクシャッと崩れ、大きなシワがよっていたのだ。天皇陛下をはじめ、皇族方が人前で椅子やシートの背もたれに寄りかかることは、まずない。
 

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