公開されたアーカックス
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 東京ビッグサイトで今月26日から開幕する「ジャパンモビリティショー(旧東京モーターショー)」で、人間が実際に乗り込んで操縦する可変型ロボット「アーカックス」が、登場することになった。参考価格は4億円。一般販売される搭乗型のロボットとしては、世界初の製品だという。

【写真】人が乗り込んで操縦する「ガンダム」のようなロボットはこちら(動画もあり)

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 アーカックスは、全高4.5メートル(ロボットモード)、重量3.5トン。胴体には、パイロットが乗り込むコックピットが設けられている。

 パイロットは、九つの外部カメラの映像を四つのモニター画面で切り替え表示しながら、ジョイスティックとペダルで操縦する。シートに座ってハッチを閉じ、四つのモニター画面に周囲の様子が映し出されると、まさにロボットアニメの主人公になった気分になりそうだ。
 

アーカックスのコックピット=ツバメインダストリ提供

 正面から見ると「足」があるように見えるが、実際には四つのタイヤで走行する。移動に特化した「ビークルモード」にわずか15秒で、映画「トランスフォーマー」のように変形する。 

 アーカックスの骨格は建設機械のノウハウを用いて設計したもので、駆動系には産業ロボット用のデバイスを採用している。それをEV用バッテリーから供給される電力で動かす。

 腕や手の指は滑らかに動き、じゃんけんのような動作もできる。義手の技術を取り入れて開発したものという。

 開発メーカー「ツバメインダストリ」(東京都江戸川区)の吉田龍央代表取締役は、

「パイロットが、自分の体が巨大化したような感覚で操縦できる製品を目指しています」

 と語る。

 メインユーザーとして見込んでいるのは、世界の超富裕層だ。

「ベンチマークとしているのはフェラーリやランボルギーニなどのハイパーカーです。1億5000万円以上の自動車が年間で数千台出荷されていますが、その数パーセントをとるようなかたちで販売していきたい」

 と、関大地・監査役は意気込みを語る。
 

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コックピットにはエアコンも