約7割が通学時間10分未満
例えば「首都圏で自宅から私立大に通うより、鳥取大で1人暮らしをした方が安い」として、「私立・自宅」は東京圏で年175.3万円、京阪神で175.2万円かかるが、「国立・アパート等」は地方で170.0万円(日本学生支援機構の「学生生活調査」から)。「鳥取大では、通学時間10分未満の学生が67%。時間に無駄がありません」といった具合だ。
大学ホームページで公開したところ評判になり、17年度の「概要編」に続いて、18年度は「就職編」、19年度は「生活編」「金銭編」、20年度「学問系統編」、21年度「金銭編2」などシリーズ化してきた。森川教授は、その狙いをこう話す。
「当初は、大学を紹介するだけの従来型のパンフレットでしたが、限界を感じました。鳥取大に興味がなければ、そもそも手に取ってもらえないんです。地方国公立大全体の魅力を紹介し、まず地方で学ぶことに関心を持ってもらおうと。その結果、鳥取大が選択肢に入ればいいなと考えています」
20年度の「就職編2」では「(コロナ禍を経て)企業の採用選考の方法が対面からリモートに一気に変わりました。(中略)移動にかかる時間的拘束と移動経費から、(中略)解放されました」とアピール。現在、同大の県外出身者は8割を超えている。
「親元を離れ、自然あふれる地方で落ち着いて学ぶメリットを伝えたい」(森川教授)
(編集部・古田真梨子)
※AERA 2023年10月23日号より抜粋