保坂さんによると、医学的見地からも「ソーシャル・サポート」がある、つまり人と人との支え合いができている中高年や高齢者は心理面を含む健康度が高い。一方で、ソーシャル・サポートがない人は病気になりがちだという。

 ソーシャル・サポートは、会うと癒やされたりホッとする「情緒的サポート」▽風邪をひいた時に連絡をくれて買い物をしてきてくれるなどの「手段的サポート」▽こんな集まりがあるから行こうかと誘ってくれたり、役所のこの窓口にいけば良いアルバイト先を紹介してくれるよ、などと教えてくれる「情報的サポート」の3つに大別される。

「弧独力」を身に付ける

 保坂さんは、「3つそれぞれに当てはまる友達がいる人は、より健康で充実した暮らしをしていると考えられます」として、こう続ける。

「私は『孤独力』という言葉を使っていますが、一人で生きる力は身に付けるべきだと思います。友達もちゃんといて、『一人で』と『みんなで』を自由に行き来できるようになることを意味しています。この『孤独力』があって友達もいるという状態が、定年後に非常に大切なことだと考えます」

 では、友達がいない人はどうすればいいのか。そもそも、それを教えてくれる友達がいないのだ。

 まずは過去を手放し、「ただの人」だという自覚をしっかり持つことが大事だ。現役時代の肩書や自慢話など、誰も求めてはいない。これは鉄則である。

「第二歩」として

 そのうえで保坂さんは、まずは近所ですれ違う人や、行く先でよく会う人に、声を出してあいさつすることが友達づくりの第一歩だと指摘する。

「女性は近所に会話ができる人が何人もいるのに、男性はまったくいないケースが多いんです。私自身も、会釈はしても、声は出さないことがありました。思い切って声を出してあいさつすると、あいさつを返してくれたり、向こうからしてきてくれたりするようになるので関係作りのきっかけになります」

 第二歩は、集団に入ってみることだ。集団といっても、れっきとした組織である必要はない。

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